お茶の種類って数多くあるけどどのお茶がどう健康にいいの?茶匠が伝授!

ひとことにお茶っていっても、たくさんありすぎてわかんない。どうせ飲むなら健康にいいほうがいいですよね。

本記事を読めば、お茶で健康に!!! そんなお話です。

お茶って、どれだけ種類があるの?

お茶って、どれだけ種類があるの?

あなたがすぐ思い浮かぶお茶は何でしょう?

日本茶、紅茶、烏龍茶。そういえば、プーアル茶も。お茶っていう括りは、とても大きいです。そこでわかりやすいように整理してみましょう。

お茶を分類するときの方法、一番多いのが、お茶の製造方法による違いです。ポイントは発酵(はっこう)にあります。

発酵は、微生物の働きで、新しい物質をつくりだす現象です。人間に有益な者であり。もし有害な者をつくり出すとしたら、それは発酵ではなく、腐敗といいます。

ただお茶の発酵には微生物はまったくかかわっていません(プーアル茶を除く)。お茶でいう発酵は、お茶に含まれる酵素のはたらきによるもので、近年このことも発酵とよばれるようになりました。

ではここでお茶の発酵について簡単にお話します。

お茶にはポリフェノール酸化酵素(ポリフェノールオキシターゼ)と呼ばれる酵素があります。

この酵素はお茶に含まれているカテキンに代表される、ポリフェノールを酸化する酵素です。この酵素とポリフェノールは混ざり合うことはないのですが、茶葉を傷つけたり、切るとお互いが混ざって発酵がおこります。

また萎凋(いちょう)もお茶の発酵に大きくかかわります。萎凋というのは、摘んだ茶葉をしおらせること。

方法としては天日干しや萎凋槽での熱風を送り込む、人工萎凋があります。茶葉が萎れることで、細胞が崩れ発酵がおきます。

お茶の発酵がおこると、どうなるのでしょうか?

なんのために発酵させたり、させなかったりするのでしょうか?

それは香りのためです。

ポリフェノール自体は無色、水に溶けやすく香りもなし。これが発酵することによってポリキノンという物質にかわり、空気中に舞い(揮発性)、香りを感じることができます。香りを生み出すための発酵です。

発酵による香りを必要とするか、しないのか。必要とするならば、どの程度発酵させた香りがいいのか。茶の種類、分類は製造方法の違いによって分けられます。日本茶、紅茶、ウーロン茶、もともとは同じツバキ科の乗用樹、チャノキ(学名 カメリアシネンシス)なのです。

それでは発酵の違いによる分類で、いろんなお茶の種類、お話しましょう。

不発酵茶

発酵をまったくさせないお茶です。日本茶のほとんどがここに属します。この中でも、茶葉に蒸気をあてることで発酵させない製法を、蒸し製といい、鉄製の釜で茶葉を炒って、発酵を止める製法を釜炒り製といいます。

不発酵茶・蒸し製には、普通煎茶深蒸し煎茶番茶粉茶芽茶茎茶(棒茶)ほうじ茶玄米茶玉露・かぶせ茶抹茶(碾茶てんちゃ)蒸し製玉緑茶(ぐり茶)があります。不発酵茶・釜炒り製には、釜炒り玉緑茶があります。

普通煎茶と深蒸し煎茶

日本で一般的なお茶です。普通煎茶と深蒸し煎茶の違いは、茶葉を摘んでから、蒸気で加熱する時間の差です。

普通蒸し茶は30秒から40秒、深蒸し茶は60秒から120秒ともいわれていますが、この時間は生葉の状態によってかわります。

普通蒸し茶は、針のような形をしており、それを太くさせた形のお茶です。お湯で淹れたときの色は黄色で、お茶本来の香りを感じることができます。

味は深蒸し茶に比べ、ほどよい渋みを感じます。深蒸し茶は、蒸気で長く加熱するため、粉のような細かいお茶になります。水色は濃緑、旨みを感じる味です。

それは渋みを感じるカテキンが蒸気で長く加熱されることによってカテキンを昇華するからです。

番茶

夏、秋に摘んだお茶です。製法は普通煎茶や深蒸し煎茶と同じです。煎茶と違って、大きく育った茶の葉を加工するため、味は淡泊ですが、やや渋みも含んだお茶です。水色はやや黄色を帯びた色となり、形は大きめです。北海道、東北では、ほうじ茶のことを番茶ということもあります。

ほうじ茶

煎茶や番茶を強い火で炒ったお茶です。香ばしい香りが特徴。水色はうす茶色。さっぱりした味が人気でもあります。

玄米茶・抹茶入り玄米茶

煎茶や番茶に高圧で炒った米などを混ぜたお茶です。玄米の香ばしさが、特徴です。水色は煎茶と同じ。抹茶を入れた玄米茶は、1回目の水色を濃緑で、そして、抹茶の味を楽しみたいためにつくったお茶です。今の時代、ブレンド茶はいっぱいありますが、お茶と米の組み合わせを考えたことって、凄いことだと思います。

玉露

茶園をよしず棚などで被って、直射日光を遮って育てたお茶です。玉露の茶園は普通の茶園と違って茶樹が高く育ち、人間の背丈ほどに伸びていきます。お茶には旨み成分のテアニンが含まれています。このテアニンは日光が当たると苦み成分のカテキンへと変わります。しかし玉露は日を遮るため、テアニンのままとなり、独特の旨みを感じるお茶となります。

抹茶

玉露のように日光を遮って茶葉を育て、蒸した後葉脈を取り除き、乾燥させたお茶(碾茶てんちゃ)を石臼で挽き、粉にしたお茶です。茶道に使われてきましたが、この頃ではお菓子の原料としても人気です。ここで注意したいのが、抹茶と微粉末茶の違いです。抹茶は碾茶が原料。微粉末茶は煎茶を細かな粉状にしたもの。一件見た目は似ていますが、まったく違うお茶です。価格的にも抹茶が手間のかかっている分だけ、一般的に高いです。

蒸し製玉緑茶(ぐり茶)

煎茶と違って形が丸くなったお茶です。これはお茶の製造工程で、茶葉の形を整える精揉(せいじゅう)という工程がないためです。精揉をしないことで、お茶本来の旨みをストレートに飲むことができます。

釜炒り製玉緑茶

通常は蒸気でお茶を加熱して発酵を止めますが、このお茶は鉄製の鍋で炒って発酵を止めます。茶葉は丸い形となり、香ばしい香りがします。

半発酵茶

摘んだお茶を天日干しなどで発酵させた後、加熱して発酵を止めたお茶です。一番馴染みがあるのはウーロン茶でしょうか。半発酵茶にも発酵の進み具合によって分類されます。
発酵が少ない順に並べると、白茶黄茶青茶となります。

白茶は弱発酵茶であり、摘んだ茶葉を萎凋(いちょう 萎れさせること)することにより、ゆっくり発酵させます。屋外、室内での作業となりますが、送風機は使わず、また人の手による、揉んだりすることはおこなわないません。萎凋が終わったら「烘籠」という竹製の籠に入れて乾燥させます。代表銘柄は、銀針白毫(ギンシンハクゴウ)、白牡丹(パイムータン)です。

黄茶は弱後発酵茶です。その製造方法は、釜で茶葉を炒るのですが、最初は低温で加熱、次に高温、そしてまた低温で加熱します。そして黄茶の特徴ある工程、後発酵の悶黄(もんおう)をします。悶黄は段階的に加熱した茶葉を箕などに広げ上から布を掛け、自然酸化させます。そのあと釜にふたたび戻し加熱、最後は炭火で乾燥させます。代表銘柄は、君山銀針(クンザンギンシン)、蒙頂黄芽(モウチョウコウガ)です。

青茶の代表銘柄はウーロン茶です。発酵の度合いも幅広く、種類も多い。いろんな香りのお茶があります。代表銘柄も、凍頂烏龍(トウチョウウーロン)、鉄観音(テツカンノン)、武夷岩茶(ブイガンチャ)と馴染みの多いお茶が多いですね。

なお、半発酵茶に属さない黒茶とよばれるお茶があります。後発酵のお茶であり、代表銘柄はプーアル茶です。プーアル茶の製造方法はふたつあり、コウジカビキンで発酵させてた「熟茶」と加熱時に酸素を残し年月を経て発酵させる「生茶」があります。

発酵茶

発酵を完全におこなってつくったお茶です。紅茶が発酵茶です。紅茶の製造過程では酸化発酵という工程があり、他のお茶と違い完全発酵させます。

健康に良い種類のお茶は?

健康に良い種類のお茶は?

いろんなお茶があることをお話しました。では、健康にいいお茶ってどのお茶なんでしょうか?実は発酵で分類されていないお茶に、とっても健康にいいとさせるお茶があります。ここではそんなお茶を紹介しましょう。

ルイボスティー

ルイボスティーは南アフリカ共和国に自生するアスパラサス属の葉、ルイボスを発酵乾燥させたお茶です。茶は赤い色は特徴で、甘みも感じます。
ルイボスにはフラボノール、フラボン、フラボノイドなどたくさんのフェノール系化合物を含んでいて、抗酸化作用があるといわれています。スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を多く含んでいます。またルイボスティーはカフェインを含まないのも特徴で、妊婦さんや乳児が飲んでも問題ありません。

マテ茶

イェルバ・マテと呼ばれる植物を原料としたお茶でビタミンやミネラルが豊富なのが最大の特徴です。

ドクダミ茶

どくだみ茶に含まれるイソクエルシトリンなどのフラボノイド類が高血圧などの生活習慣病を予防するといわれています。どくだみ茶には強い利尿作用もあり、デトックス作用で肌荒れ、便秘の解消にも役にたちます。

杜仲茶

杜仲(とちゅう)は中国原産の落葉樹です。杜仲の葉からつくった杜仲茶はゲニポシド酸を含んでいて、コレステロース値を下げるさおうや、メタボリックシンドロームの予防効果があるといわれています。

一番飲まれている緑茶の効能は?

一番飲まれている緑茶の効能は?

 

ではここで、日本で一番飲まれている緑茶の効能についてお話します。緑茶は機能性総合飲料といわれています。

発がん作用抑制効果
緑茶に含まれる亜k手金やビタミン類ががん予防に効果があるということがわかってきました。NHKで放送された「ためしてガッテン」では深蒸し茶をよく飲んでいる掛川市が、がん死亡率が日本でイバン低いと紹介されました。

動脈予防効果
お茶を飲むことによって、善玉コレステロール(HDL)が体内に増えます。血液さらさらに役立ちます。

食中毒予防
お茶に含まれるカテキンには殺菌録があり、病原性大腸菌O-157にも茶カテキンは有効であると証明されています。

虫歯予防・口臭抑制
お茶に含まれるフッ素が虫歯予防に。またカテキン、フラボンが口臭予防になります。そういえば、お茶カテキン入り歯磨き粉も販売されていますね。

老化予防
茶カテキンは抗酸化作用がとっても強い。そしてこのカテキン、ビタミンCの分解を防いでくます。緑茶でビタミンを効果的に摂ることができます。

ダイエットに効くお茶は?

ダイエットに効くお茶は?

食生活が満たされている毎日、体重もアップしがち。そんな日々、ダイエットに効くお茶ってどれでしょうか?

プーアル茶
プーアール茶に含まれる重合型カテキン(重合ポリフェノール)には炭水化物の分解酵素の妨害する働きがあります。重合型カテキンは腸での脂肪の吸収を防いでくれます。

ルイボスティー
ルイボスティーにはスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)が多く含まれています。このSOD酵素が体内の毒素を排出、代謝を促してくれます。そしてルイボスティーに含まれるマグネシウムが便秘解消に役立ちます。

緑茶
血糖値が上がりやすいモノを食べると、インスリンが分泌され、脂肪に蓄積されていましまいます。緑茶に含まれるカテキンが血糖値を急激に上げないようにし、脂肪としての蓄積を防ぎます。

カフェインがないお茶ってあるの?

カフェインがないお茶ってあるの?

妊婦さんや乳幼児にとってカフェインはよくないといわれます。それはなぜでしょうか?

それは、カフェインが中秋神経を刺激する作用があるからです。

妊娠中はカフェインの分解に時間がかかるといわれていて、カフェインの大量摂取は胎児に悪い影響を与えるといわれています。

コーヒーや緑茶にはカフェインが含まれています。それに対して大麦を炒って作った麦茶はカフェインを含んでいません。またルイボスティーもカフェインゼロです。最近話題になったゴボウ茶もカフェインを含んでいません。

まとめ

日本のお茶の歴史を紐解いてみると、平安朝の初期、唐へ留学した僧侶達によって中国から日本へ持ち帰ったのが始まりとされています。その当時は薬としてのお茶でした。今では食事の時に広く飲まれています。そしてお茶と言っても数多くの種類があり、その効用もいろいろです。自分に合ったお茶を楽しみ、健康生活をおくることがとても大切なことですね。

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